【商品番号】6003 【商品名】鬼太郎夜話全4巻セット 【製作者】水木しげる 【メーカー】三洋社 【サイズ】A5 【ページ数】176P 【状態】並 【状態詳細】1巻-貸本糸綴じ、カバーイタミ(折れ・しみ・小ハガレ・小欠け小補修・折り返し5cm欠け)、見返しイタミ(ノド補強)、2巻-糸綴じ跡、カバーイタミ(ヤケ・小欠け)、見返しイタミ(ノド補強)、本文しみ破れ小欠け、3巻-糸綴じ跡、カバーイタミ(折れ・小欠け・テープ跡)、小口印、本文破れテープ補修、4巻-カバーイタミ(はがし跡・小欠け)、表紙回り小イタミ、小口マジック点、本文しみ破れ 【最低落札価格】980,000円
【コメント】 例えば19世紀後半の印象派達の絵に感銘を受けたあなたはそのレプリカである複製原画を手に入れたことで満足できるでしょうか。確かに現代の印刷技術は各段に発達していて、その色や細かな表現まで再現することも可能ですが、それでもあなたは決して複製では満足出来ないはずです。そしてそれは漫画であっても同じで、数多の名作漫画が復刻されていますが、そこには原本にある何かが常に欠落していたのです。その欠落している何かとは作者がその時代に描いた「空気」であり「情熱」であり、インスピレーションそのものが凝縮されたコマの中に、あるいは作品全体にオーラとしてこもっていたのです。 特に水木しげるの作品にはその傾向が強く、トップコレクターたちはその並外れた嗅覚で水木の醸す昭和の背景を嗅ぎとり、時代に取り残された妖怪たちの時空のリアリティを知るのです。どこにでもあった庶民の街角に、その一歩外れたところに無窮の地平線を持つ異界があることを、そのリアリティを水木はこの本にこめたのです。だからこそコレクターは水木の貸本を探求し、その時空を共有しようとあがくのです。なぜならそれは絶対に復刻本では表現し得ない世界だからです。 この本を手に入れた方は、夜話の一コマ一コマに秘められた水木のメッセージが、ページを開くたびに手元に届けられ、新鮮な驚きと感動を生涯生み続けてくれることに感謝するでしょう。本当のコレクターとはものを手に入れるだけが最終章ではないのです。そこからどれだけの感動とインスピレーションを作者と共有できたかがその指標となるのです
貸本時代の水木しげる「鬼太郎」シリーズ最大の全4巻を数える長編「鬼太郎夜話」。(全貌は兎月書房「妖奇伝」2、同「墓場鬼太郎」3、兎月書房後期2、東考社1、佐藤プロ3の計15冊) 発行は昭和35年から36年にかけて、後に青林堂「ガロ」(この「ガロ」には後にリライト版の「夜話」が載る事となる)を主宰する事となる長井勝一が経営した三洋社より。水木作品は週刊誌連載後は、プロダクション体制が強化され、当然様々な人員の手が入る形となるが、この「夜話」は水木本人による毛筆のようなペンタッチがほぼ全編を覆い尽くしており、初期「鬼太郎」の完成形として評価が高い。本文は1,2巻が176ページ、3,4巻が160ページと分厚い造本で、金綴じ造本の構造的に後半部の綴じ部が弱く、落丁個体が非常に多く、そもそもの現存個体の少なさ、人気の高さに加え、全4巻揃いを試みる際の大きな難関の一つとなっている。今回出品の一揃いは、各巻貸本あがりの個体であるが、致命的な・際立ったイタミは見受けられず、状態の揃った一揃いとして、完成度の高い個体となっている。水木しげる初期「鬼太郎」名作中の名作。お見逃しなく
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