【商品番号】7503 【商品名】一千年后の世界 【製作者】手塚治虫 【メーカー】東光堂 【サイズ】B6上製 【ページ数】196P 【状態】美 【状態詳細】カバーイタミ (ヤケ・しみ・破れ・小欠け) 、本文小しみ 【最低落札価格】200,000円
【コメント】 漫画選書、1948表記 (扉) 、「仮面の冒険兒」併録 昭和23年版初版、昭和28年版再版、厚版の3種が発行。厚版は冒頭に5枚新たな頁が 追加され、「假面の冒険兒」を併録。また、厚版から描き版が変更になり、セリフが写植となりかなりの量のセリフ改変がある。「やばん人」等不道徳と思われるセリフは変更になっている他、石器時代から来た猿人の性格が表れるセリフが特に大きく異なり、「ヒロイン・リイコを愛らしく思い友達になりたがる」要素が「悪事を働いた事を後悔し善人になる」要素へと変更。読後感まで大きく異なる改変となっている。うつろう「個人としての感情」よりも、分かり易い勧善懲悪の方が子供に相応しいとの配慮だろうか? 改変前と改変後を画と共に後述にて比較するのでご覧頂きたい。 現在本作は手塚治虫漫画全集「珍アラビアンナイト」、手塚治虫文庫全集「火星博士/一千年后の世界」にて読む事が可能。いずれも昭和23年版初版(改変前)に基くセリフである。珍アラビアンナイトに収録された手塚自身のあとがきによると「劇画風でなく絵柄も内容も子供向けの分かり易いものを描いてほしい」と不二書房から注文がありその点を特に意識して一千年后~を描いた(意訳)との記述があり、この改変は東光堂側の判断によるものだった事が予想される。 今この改変について触れる人はほとんどいない。手塚自身が望んだのは恐らく改変前の方だが、この厚版でしか読む事が出来ず、世から忘れ去られようとしている「もう一つの『一千年后の世界』」と考えると、とても魅力的なものに思える。
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