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［6003］不二書房/手塚治虫「キングコング・函付」

保証書あり

商品状態: 非貸本、函イタミ（シミ・スレ・小欠け）、表紙回りイタミ（シミ・スレ・破れ）

現在価格	1,500,000円
開始価格	1,500,000円
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入札件数	0
ウォッチ件数	31

残り時間	終了しました
開始日時	2022/04/15 00:00:00
終了日時	2022/05/07 21:01:27
商品番号	6003z109
オークション形式	LIVE大オークション
入札単位 [詳細]	50,000円

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商品説明

【商品番号】6003
【商品名】キングコング・函付
【製作者】手塚治虫
【メーカー】不二書房
【発行年】1950(S25)01.15
【サイズ】B6上製
【ページ数】114P
【備考】オール2色
【状態】美
【状態詳細】非貸本、函イタミ（シミ・スレ・小欠け）、表紙回りイタミ（シミ・スレ・破れ）
【最低落札価格】1,500,000円

【コメント】
手塚の昭和20年代に出版された函入りの初出単行本は
メトロポリス(昭和24年9月15日・育英出版)
ふしぎ旅行記(昭和25年1月15日・家村文翫堂)
ファウスト(昭和25年1月15日・不二書房)
平原太平記(昭和25年1月20日・東光堂)の4冊ですべて関西の出版社から、わずか4か月に集中して発行されています。
家村文翫堂を除いて、手塚の初期単行本の代表出版社である育英、不二、東光堂がそれぞれ1冊ずつ出していることからも、手塚の要望に従って関西の出版人たちがコストも顧みずにやった、手塚の東京進出への抵抗運動だったのでは？と邪推してしまいます。
東京の大手出版にはできないことをやる、その気概がこの函付きを生んだ。
さらに関西の出版人たちは手塚の過去作の函入り単行本も全部で3冊出しています。
流線型事件(昭和24年11月10日・葛城書房)
キングコング(昭和25年1月15日・不二書房)
火星博士(昭和25年1月15日・不二書房)で
この3冊は例外なく激レアです。函付きで3冊コンプリートしているマニアはいないのではないでしょうか？
こう書き連ねて見ると気になることがあります。そう不二書房の3冊は同年同月同日に世に出されたものなのです。
もちろん「ファウスト」もレアなのですが、「キングコング」「火星博士」とは比べるべくもなく、体感では20対1くらいの出現率の差です。その差を考えた場合、単純に初出の「ファウスト」と比べて再販であったため、部数が少なかったと考えるのには無理がある気がします。手塚治虫は昭和25年の時点で既に東京の出版社からオファーが来る存在なので正式にリリースするならば間違いなく売れることは出版人たちが一番解っていたはずです。
元々この函付きは余りにレアなため、マニアたちの間では関係者だけに配られたモノでは？と言われていました。
手塚を繋ぎとめるために原価を考えずに函付きをリリースしたが、再販の2冊は手塚に見せるためだけに造り関係者に配る程度だったと考えられなくはないですが、まんだらけで販売した手塚が10部だけ造らせた伝説の「火星博士」上質紙バージョン(不二書房)は、古書漫画の世界でたった1部しか市場に出てきていない事実と比べると、もう少し多く刷られていると思われるのです。
函なしも含めてほとんどが関西から出てきていることと、手塚に再販を出している印象を付ける意味で関西の松屋町だけで流通に乗せるくらいの部数を造ったのでは？あくまでも推測ですが。
その後、関西の出版人たちの努力は実を結ばず、昭和25年4月から全国雑紙への初連載「漫画と読み物」誌に「タイガー博士の珍旅行」を始め、翌年には「少年」誌で「アトム大使(鉄腕アトム)」も始まります。
手塚は国民的漫画家、漫画の神様への道を突き進んで行くことになるのです。
大阪の出版社との関係は、不二書房とは、それから約1年後、昭和26年1月に代表作の一つになる「来るべき世界」が最後の仕事になります。傑作で締めくくるのは不二への手塚の愛情を感じます。その直後不二書房は閉業します。
東光堂とは昭和26年に2冊、27年「ピノキオ」、28年に最後の書き下ろし単行本「罪と罰」を描き、手塚は東京に旅立ちます。皮肉にもその翌年、昭和29年に関西画家の部門で手塚は納税者の長者番付1位になるのです。
昭和24年のある夜、関西の出版人たちの会合で手塚を東京に取られないための話し合いが持たれ、手塚の好きな戦前のような函付きの豪華な単行本でフィッシングしようとしたと、この函付きの本たちを見ていると妄想してしまうのです（辻中）

109手塚治虫